大臣のいと気遠くはるかにもてなしたまへるは、かく見る人ただにはえ思ふまじき御ありさまを、いたり深き御心にて、もし、かかることもやと思すなりけり」
と思ふに、けはひ恐ろしうて、立ち去るにぞ、西の御方より、内の御障子引き開けて渡りたまふ。
「いとうたて、あわたたしき風なめり。御格子下ろしてよ。男どもあるらむを、あらはにもこそあれ」
と聞こえたまふを、また寄りて見れば、もの聞こえて、大臣もほほ笑みて見たてまつりたまふ。親ともおぼえず、若くきよげになまめきて、いみじき御容貌の盛りなり。
女もねびととのひ、飽かぬことなき御さまどもなるを、身にしむばかりおぼゆれど、この渡殿の格子も吹き放ちて、立てる所のあらはになれば、恐ろしうて立ち退きぬ。今参れるやうにうち声づくりて、簀子の方に歩み出でたまへれば、
「さればよ。あらはなりつらむ」
とて、「かの妻戸の開きたりけるよ」と、今ぞ見咎めたまふ。
「年ごろかかることのつゆなかりつるを。風こそ、げに巌も吹き上げつべきものなりけれ。さばかりの御心どもを騒がして。めづらしくうれしき目を見つるかな」とおぼゆ。
人々参りて、
「いといかめしう吹きぬべき風にはべり。艮の方より吹きはべれば、この御前はのどけきなり。馬場の御殿、南の釣殿などは、危ふげになむ」
とて、とかくこと行なひののしる。
「中将は、いづこよりものしつるぞ」
「三条の宮にはべりつるを、『風いたく吹きぬべし』と、人々の申しつれば、おぼつかなさに参りはべりつる。かしこには、まして心細く、風の音をも、今はかへりて、若き子のやうに懼ぢたまふめれば。心苦しさに、まかではべりなむ」
と申したまへば、
「げに、はや、まうでたまひね。老いもていきて、また若うなること、世にあるまじきことなれど、げに、さのみこそあれ」
など、あはれがりきこえたまひて、
「かく騒がしげにはべめるを、この朝臣さぶらへばと、思ひたまへ譲りてなむ」
と、御消息聞こえたまふ。
道すがらいりもみする風なれど、うるはしくものしたまふ君にて、三条宮と六条院とに参りて、御覧ぜられたまはぬ日なし。内裏の御物忌などに、えさらず籠もりたまふべき日より外は、いそがしき公事、節会などの、暇いるべく、ことしげきにあはせても、まづこの院に参り、宮よりぞ出でたまひければ、まして今日、かかる空のけしきにより、風のさきにあくがれありきたまふもあはれに見ゆ。
宮、いとうれしう、頼もしと待ち受けたまひて、
「ここらの齢に、まだかく騒がしき野分にこそあはざりつれ」
と、ただわななきにわななきたまふ。
大きなる木の枝などの折るる音も、いとうたてあり。御殿の瓦さへ残るまじく吹き散らすに、
「かくてものしたまへること」
と、かつはのたまふ。そこら所狭かりし御勢のしづまりて、この君を頼もし人に思したる、常なき世なり。今もおほかたのおぼえの薄らぎたまふことはなけれど、内の大殿の御けはひは、なかなかすこし疎くぞありける。
中将、夜もすがら荒き風の音にも、すずろにものあはれなり。心にかけて恋しと思ふ人の御ことは、さしおかれて、ありつる御面影の忘られぬを、
「こは、いかにおぼゆる心ぞ。あるまじき思ひもこそ添へ。いと恐ろしきこと」
と、みづから思ひ紛らはし、異事に思ひ移れど、なほ、ふとおぼえつつ、
「来し方行く末、ありがたくもものしたまひけるかな。かかる御仲らひに、いかで東の御方、さるものの数にて立ち並びたまひつらむ。たとしへなかりけりや。あな、いとほし」
とおぼゆ。大臣の御心ばへを、ありがたしと思ひ知りたまふ。
人柄のいとまめやかなれば、似げなさを思ひ寄らねど、「さやうならむ人をこそ、同じくは、見て明かし暮らさめ。限りあらむ命のほども、今すこしはかならず延びなむかし」と思ひ続けらる。
暁方に風すこししめりて、村雨のやうに降り出づ。
「六条院には、離れたる屋ども倒れたり」
など人々申す。
「風の吹きまふほど、広くそこら高き心地する院に、人々、おはします御殿のあたりにこそしげけれ、東の町などは、人少なに思されつらむ」
とおどろきたまひて、まだほのぼのとするに参りたまふ。
道のほど、横さま雨いと冷やかに吹き入る。空のけしきもすごきに、あやしくあくがれたる心地して、
「何ごとぞや。またわが心に思ひ加はれるよ」と思ひ出づれば、「いと似げなきことなりけり。あな、もの狂ほし」
と、とざまかうざまに思ひつつ、東の御方に、まづ参うでたまへれば、懼ぢ極じておはしけるに、とかく聞こえ慰めて、人召して、所々つくろはすべきよしなど言ひおきて、南の御殿に参りたまへれば、まだ御格子も参らず。
おはしますに当れる高欄に押しかかりて、見わたせば、山の木どもも吹きなびかして、枝ども多く折れ伏したり。草むらはさらにもいはず、桧皮、瓦、所々の立蔀、透垣などやうのもの乱りがはし。
日のわづかにさし出でたるに、憂へ顔なる庭の露きらきらとして、空はいとすごく霧りわたれるに、そこはかとなく涙の落つるを、おし拭ひ隠して、うちしはぶきたまへれば、
「中将の声づくるにぞあなる。夜はまだ深からむは」
とて、起きたまふなり。何ごとにかあらむ、聞こえたまふ声はせで、大臣うち笑ひたまひて、
「いにしへだに知らせたてまつらずなりにし、暁の別れよ。今ならひたまはむに、心苦しからむ」
とて、とばかり語らひきこえたまふけはひども、いとをかし。女の御いらへは聞こえねど、ほのぼの、かやうに聞こえ戯れたまふ言の葉の趣きに、「ゆるびなき御仲らひかな」と、聞きゐたまへり。
御格子を御手づから引き上げたまへば、気近きかたはらいたさに、立ち退きてさぶらひたまふ。
「いかにぞ。昨夜、宮は待ちよろこびたまひきや」
「しか。はかなきことにつけても、涙もろにものしたまへば、いと不便にこそはべれ」
と申したまへば、笑ひたまひて、
「今いくばくもおはせじ。まめやかに仕うまつり見えたてまつれ。内大臣は、こまかにしもあるまじうこそ、愁へたまひしか。人柄あやしうはなやかに、男々しき方によりて、親などの御孝をも、いかめしきさまをば立てて、人にも見おどろかさむの心あり、まことにしみて深きところはなき人になむ、ものせられける。さるは、心の隈多く、いとかしこき人の、末の世にあまるまで、才類ひなく、うるさながら。人として、かく難なきことはかたかりける」
などのたまふ。
「いとおどろおどろしかりつる風に、中宮に、はかばかしき宮司などさぶらひつらむや」
とて、この君して、御消息聞こえたまふ。
「夜の風の音は、いかが聞こし召しつらむ。吹き乱りはべりしに、おこりあひはべりて、いと堪へがたき、ためらひはべるほどになむ」
と聞こえたまふ。
中将下りて、中の廊の戸より通りて、参りたまふ。朝ぼらけの容貌、いとめでたくをかしげなり。東の対の南の側に立ちて、御前の方を見やりたまへば、御格子、まだ二間ばかり上げて、ほのかなる朝ぼらけのほどに、御簾巻き上げて人々ゐたり。
高欄に押しかかりつつ、若やかなる限りあまた見ゆ。うちとけたるはいかがあらむ、さやかならぬ明けぼののほど、色々なる姿は、いづれともなくをかし。
童女下ろさせたまひて、虫の籠どもに露飼はせたまふなりけり。紫苑、撫子、濃き薄き衵どもに、女郎花の汗衫などやうの、時にあひたるさまにて、四、五人連れて、ここかしこの草むらに寄りて、色々の籠どもを持てさまよひ、撫子などの、いとあはれげなる枝ども取り持て参る、霧のまよひは、いと艶にぞ見えける。
吹き来る追風は、紫苑ことごとに匂ふ空も、香のかをりも、触ればひたまへる御けはひにやと、いと思ひやりめでたく、心懸想せられて、立ち出でにくけれど、忍びやかにうちおとなひて、歩み出でたまへるに、人々、けざやかにおどろき顔にはあらねど、皆すべり入りぬ。
御参りのほどなど、童なりしに、入り立ち馴れたまへる、女房なども、いとけうとくはあらず。御消息啓せさせたまひて、宰相の君、内侍など、けはひすれば、私事も忍びやかに語らひたまふ。これはた、さいへど、気高く住みたるけはひありさまを見るにも、さまざまにもの思ひ出でらる。
南の御殿には、御格子参りわたして、昨夜、見捨てがたかりし花どもの、行方も知らぬやうにてしをれ伏したるを見たまひけり。中将、御階にゐたまひて、御返り聞こえたまふ。
「荒き風をも防がせたまふべくやと、若々しく心細くおぼえはべるを、今なむ慰みはべりぬる」
と聞こえたまへれば、
「あやしくあえかにおはする宮なり。女どちは、もの恐ろしく思しぬべかりつる夜のさまなれば、げに、おろかなりとも思いつらむ」
とて、やがて参りたまふ。御直衣などたてまつるとて、御簾引き上げて入りたまふに、「短き御几帳引き寄せて、はつかに見ゆる御袖口は、さにこそはあらめ」と思ふに、胸つぶつぶと鳴る心地するも、うたてあれば、他ざまに見やりつ。
殿、御鏡など見たまひて、忍びて、
「中将の朝けの姿は、きよげなりな。ただ今は、きびはなるべきほどを、かたくなしからず見ゆるも、心の闇にや」
とて、わが御顔は、古りがたくよしと見たまふべかめり。いといたう心懸想したまひて、
「宮に見えたてまつるは、恥づかしうこそあれ。何ばかりあらはなるゆゑゆゑしさも、見えたまはぬ人の、奥ゆかしく心づかひせられたまふぞかし。いとおほどかに女しきものから、けしきづきてぞおはするや」
とて、出でたまふに、中将ながめ入りて、とみにもおどろくまじきけしきにてゐたまへるを、心疾き人の御目にはいかが見たまひけむ、立ちかへり、女君に、
「昨日、風の紛れに、中将は見たてまつりやしてけむ。かの戸の開きたりしによ」
とのたまへば、面うち赤みて、
「いかでか、さはあらむ。渡殿の方には、人の音もせざりしものを」
と聞こえたまふ。
「なほ、あやし」とひとりごちて、渡りたまひぬ。
御簾の内に入りたまひぬれば、中将、渡殿の戸口に人々のけはひするに寄りて、ものなど言ひ戯るれど、思ふことの筋々嘆かしくて、例よりもしめりてゐたまへり。
こなたより、やがて北に通りて、明石の御方を見やりたまへば、はかばかしき家司だつ人なども見えず、馴れたる下仕ひどもぞ、草の中にまじりて歩く。童女など、をかしき衵姿うちとけて、心とどめ取り分き植ゑたまふ龍胆、朝顔のはひまじれる籬も、みな散り乱れたるを、とかく引き出で尋ぬるなるべし。
もののあはれにおぼえけるままに、箏の琴を掻きまさぐりつつ、端近うゐたまへるに、御前駆追ふ声のしければ、うちとけ萎えばめる姿に、小袿ひき落として、けぢめ見せたる、いといたし。端の方についゐたまひて、風の騷ぎばかりをとぶらひたまひて、つれなく立ち帰りたまふ、心やましげなり。
「おほかたに荻の葉過ぐる風の音も
憂き身ひとつにしむ心地して」
とひとりごちけり。
西の対には、恐ろしと思ひ明かしたまひける、名残に、寝過ぐして、今ぞ鏡なども見たまひける。
「ことことしく前駆、な追ひそ」
とのたまへば、ことに音せで入りたまふ。屏風なども皆畳み寄せ、ものしどけなくしなしたるに、日のはなやかにさし出でたるほど、けざけざと、ものきよげなるさましてゐたまへり。近くゐたまひて、例の、風につけても同じ筋に、むつかしう聞こえ戯れたまへば、堪へずうたてと思ひて、
「かう心憂ければこそ、今宵の風にもあくがれなまほしくはべりつれ」
と、むつかりたまへば、いとよくうち笑ひたまひて、
「風につきてあくがれたまはむや、軽々しからむ。さりとも、止まる方ありなむかし。やうやうかかる御心むけこそ添ひにけれ。ことわりや」
とのたまへば、
「げに、うち思ひのままに聞こえてけるかな」
と思して、みづからもうち笑みたまへる、いとをかしき色あひ、つらつきなり。酸漿などいふめるやうにふくらかにて、髪のかかれる隙々うつくしうおぼゆ。まみのあまりわららかなるぞ、いとしも品高く見えざりける。その他は、つゆ難つくべうもあらず。
中将、いとこまやかに聞こえたまふを、「いかでこの御容貌見てしがな」と思ひわたる心にて、隅の間の御簾の、几帳は添ひながらしどけなきを、やをら引き上げて見るに、紛るるものどもも取りやりたれば、いとよく見ゆ。かく戯れたまふけしきのしるきを、
「あやしのわざや。親子と聞こえながら、かく懐離れず、もの近かべきほどかは」
と目とまりぬ。「見やつけたまはむ」と恐ろしけれど、あやしきに、心もおどろきて、なほ見れば、柱隠れにすこしそばみたまへりつるを、引き寄せたまへるに、御髪の並み寄りて、はらはらとこぼれかかりたるほど、女も、いとむつかしく苦しと思うたまへるけしきながら、さすがにいとなごやかなるさまして、寄りかかりたまへるは、
「ことと馴れ馴れしきにこそあめれ。いで、あなうたて。いかなることにかあらむ。思ひ寄らぬ隈なくおはしける御心にて、もとより見馴れ生ほしたてたまはぬは、かかる御思ひ添ひたまへるなめり。むべなりけりや。あな、疎まし」
と思ふ心も恥づかし。「女の御さま、げに、はらからといふとも、すこし立ち退きて、異腹ぞかし」など思はむは、「などか、心あやまりもせざらむ」とおぼゆ。
昨日見し御けはひには、け劣りたれど、見るに笑まるるさまは、立ちも並びぬべく見ゆる。八重山吹の咲き乱れたる盛りに、露のかかれる夕映えぞ、ふと思ひ出でらるる。折にあはぬよそへどもなれど、なほ、うちおぼゆるやうよ。花は限りこそあれ、そそけたるしべなどもまじるかし、人の御容貌のよきは、たとへむ方なきものなりけり。
御前に人も出で来ず、いとこまやかにうちささめき語らひ聞こえたまふに、いかがあらむ、まめだちてぞ立ちたまふ。女君、
「吹き乱る風のけしきに女郎花
しをれしぬべき心地こそすれ」
詳しくも聞こえぬに、うち誦じたまふをほの聞くに、憎きもののをかしければ、なほ見果てまほしけれど、「近かりけりと見えたてまつらじ」と思ひて、立ち去りぬ。
御返り、
「下露になびかましかば女郎花
荒き風にはしをれざらまし
なよ竹を見たまへかし」
など、ひが耳にやありけむ、聞きよくもあらずぞ。
東の御方へ、これよりぞ渡りたまふ。今朝の朝寒なるうちとけわざにや、もの裁ちなどするねび御達、御前にあまたして、細櫃めくものに、綿引きかけてまさぐる若人どもあり。いときよらなる朽葉の羅、今様色の二なく擣ちたるなど、引き散らしたまへり。
「中将の下襲か。御前の壷前栽の宴も止まりぬらむかし。かく吹き散らしてむには、何事かせられむ。すさまじかるべき秋なめり」
などのたまひて、何にかあらむ、さまざまなるものの色どもの、いときよらなれば、「かやうなる方は、南の上にも劣らずかし」と思す。御直衣、花文綾を、このころ摘み出だしたる花して、はかなく染め出でたまへる、いとあらまほしき色したり。
「中将にこそ、かやうにては着せたまはめ。若き人のにてめやすかめり」
などやうのことを聞こえたまひて、渡りたまひぬ。
むつかしき方々めぐりたまふ御供に歩きて、中将は、なま心やましう、書かまほしき文など、日たけぬるを思ひつつ、姫君の御方に参りたまへり。
「まだあなたになむおはします。風に懼ぢさせたまひて、今朝はえ起き上がりたまはざりつる」
と、御乳母ぞ聞こゆる。
「もの騒がしげなりしかば、宿直も仕うまつらむと思ひたまへしを、宮の、いとも心苦しう思いたりしかばなむ。雛の殿は、いかがおはすらむ」
と問ひたまへば、人々笑ひて、
「扇の風だに参れば、いみじきことに思いたるを、ほとほとしくこそ吹き乱りはべりしか。この御殿あつかひに、わびにてはべり」など語る。
「ことことしからぬ紙やはべる。御局の硯」
と乞ひたまへば、御厨子に寄りて、紙一巻、御硯の蓋に取りおろしてたてまつれば、
「いな、これはかたはらいたし」
とのたまへど、北の御殿のおぼえを思ふに、すこしなのめなる心地して、文書きたまふ。
紫の薄様なりけり。墨、心とめておしすり、筆の先うち見つつ、こまやかに書きやすらひたまへる、いとよし。されど、あやしく定まりて、憎き口つきこそものしたまへ。
「風騒ぎむら雲まがふ夕べにも
忘るる間なく忘られぬ君」
吹き乱れたる苅萱につけたまへれば、人々、
「交野の少将は、紙の色にこそととのへはべりけれ」と聞こゆ。
「さばかりの色も思ひ分かざりけりや。いづこの野辺のほとりの花」
など、かやうの人々にも、言少なに見えて、心解くべくももてなさず、いとすくすくしう気高し。
またも書いたまうて、馬の助に賜へれば、をかしき童、またいと馴れたる御随身などに、うちささめきて取らするを、若き人々、ただならずゆかしがる。
渡らせたまふとて、人々うちそよめき、几帳引き直しなどす。見つる花の顔どもも、思ひ比べまほしうて、例はものゆかしからぬ心地に、あながちに、妻戸の御簾を引き着て、几帳のほころびより見れば、もののそばより、ただはひ渡りたまふほどぞ、ふとうち見えたる。
人のしげくまがへば、何のあやめも見えぬほどに、いと心もとなし。薄色の御衣に、髪のまだ丈にははづれたる末の、引き広げたるやうにて、いと細く小さき様体、らうたげに心苦し。
「一昨年ばかりは、たまさかにもほの見たてまつりしに、またこよなく生ひまさりたまふなめりかし。まして盛りいかならむ」と思ふ。「かの見つる先々の、桜、山吹といはば、これは藤の花とやいふべからむ。木高き木より咲きかかりて、風になびきたるにほひは、かくぞあるかし」と思ひよそへらる。「かかる人々を、心にまかせて明け暮れ見たてまつらばや。さもありぬべきほどながら、隔て隔てのけざやかなるこそつらけれ」など思ふに、まめ心も、なまあくがるる心地す。
祖母宮の御もとにも参りたまへれば、のどやかにて御行なひしたまふ。よろしき若人など、ここにもさぶらへど、もてなしけはひ、装束どもも、盛りなるあたりには似るべくもあらず。容貌よき尼君たちの、墨染にやつれたるぞ、なかなかかかる所につけては、さるかたにてあはれなりける。
内の大臣も参りたまへるに、御殿油など参りて、のどやかに御物語など聞こえたまふ。
「姫君を久しく見たてまつらぬがあさましきこと」
とて、ただ泣きに泣きにたまふ。
「今このころのほどに参らせむ。心づからもの思はしげにて、口惜しう衰へにてなむはべめる。女こそ、よく言はば、持ちはべるまじきものなりけれ。とあるにつけても、心のみなむ尽くされはべりける」
など、なほ心解けず思ひおきたるけしきしてのたまへば、心憂くて、切にも聞こえたまはず。そのついでにも、
「いと不調なる女まうけはべりて、もてわづらひはべりぬ」
と、愁へきこえたまひて、笑ひたまふ。宮、
「いで、あやし。女といふ名はして、さがなかるやうやある」
とのたまへば、
「それなむ見苦しきことになむはべる。いかで、御覧ぜさせむ」
と、聞こえたまふとや。
中文译文:
野分
皇后秋院庭前,各式秋花繁妍,胜似往年。树枝编成的疏篱,格外雅致。尤以此处秋花更为艳丽,摇曳多姿;朝露待日,晶莹剔透之至。如此人造秋景,凉爽适意,胜似春山之美。至于春秋之优劣,向来赞美秋景之人居多。故先前称道紫姬园中春花的人,如今又调头来颂扬秋好皇后的秋院了。世态炎凉,由此可见一斑。皇后归宁在家,欣赏秋院美景之时,颇想在此举行管弦之乐会。然而已故父亲前皇太子之忌月恰在八月,故不宜作乐。惟恐花期逝去,遂尽口盘桓花前,赏玩这些日益繁妍之秋花。岂料无色忽变,狂风大作,满园秋花,缤纷满地,使不甚惜花之人,皆叹惜不已;更何况秋好皇后。见碎玉般零落的草露,目不忍睹,恨不能“愿将大袖遮天日,莫使秋花任晓凤。”暮色渐起,四周昏暗无物。朔风愈加凄紧,尤如鬼哭神号。格子窗早已关闭,秋好是后笼闭室中,因挂念庭中秋花,独自黯然神伤。
适逢其所居院中种植花木,朔风猛烈,这些“疏花小获”禁受不住,花枝横折,花叶满地。紫姬临窗托腮凝望院内,源氏此刻恰在西厅小女公子处。此时,夕雾中将前来问候,他无意瞥见紫姬室内许多待女,室内屏风因风大而撤了,紫姬正坐在那里。他不由驻足凝望。紫姬气度不俗,高雅清丽,宛若塘中青莲,清新优雅,好一个春之女神。夕雾恍若梦境。一阵风来,掀起帘子,众侍女急忙扯住。此番举动,使得紫姬禁不住菀尔一笑,神态越发动人。只因传惜遗落群花,她不忍弃之回房。身边诸位侍女,也各有动人姿色,然而在夕雾眼中,皆似凋零黄花。他推自思忖:“父亲小心谨慎,严加防范,不容我亲近这位继母,我道何故?原来是怕我见了继母这天姿国色,顿起贪色之念呵。念此,慑于父亲威严,便欲转身离去。
恰逢此时,源氏从西厅里拉开纸隔扇,进得紫姬房中来。他道:“好大的风!真是讨厌,快将格子窗关闭。你坐在这里,外面的男人进来望得见呢!”夕雾闻声回头,只见父亲正微笑注视紫姬。立即惊诧于这个年轻而俊美的英年男子,竟不似其父了。紫姬也适逢青春年华,他不禁也真心赞叹:“真乃天赐一对并头鸳鸯。”心想:“我从未曾端详过这位继母一面,今日恰应了俗语:大风吹得岩石移,还怕不见韩世物。赖大风之福,我方见得这秘藏深院的绝世佳人,真乃幸运之至。”忽又一阵风乍起,吹荡开了他站立其下的格子窗。他怕父亲瞧见,急忙悄然退去。此时诸多家臣赶来,报告:“厉风急自东北来,此处却是安全,然那边马场殿与钓殿颇令人担心。”于是众人纷纷攘攘前去防御。夕雾绕至檐前,装出初来乍到,咳嗽一声。源氏在里面道:“果然不出所料,有人来了,外面望得见呢!”这时他方察觉边门未闭,夕雾正垂手门外。
源氏问道:“中将打哪里来?”夕雾答道:“我在三条邪内问候外祖母。闻知狂风肆虐。又不知此处情形,甚为牵挂,放前来探望。外祖母孤单寂寞。且她年岁一大,反似小孩般怕风声。今见这边无事,看来我还是去陪伴她的好。”源氏道:“那快些去吧。返老还童,世间尚未有,然人老心智衰,自然如孩童。”源氏也极挂念,遂叫夕雾捎一封信去请安。信中说道:“天候这般恶劣,令我好生不安。然而有这朝臣在侧伺候,万事只管吩咐,均可放心。”夕雾即刻顶风刮面,赶回三条邱吉。这位公子品质极为忠厚,除了禁忌日子不得不于宫中值宿外,每日准时到三条邪及六条院请安;即使公事与节会繁忙之日,也不例外。今日天候虽恶,仍奔波于狂风之中,孝心一片,确可动人。
夕雾的到来,自然令太君欣慰不已。说道:“你来我可就放心了。如此肆虐狂风,我尚属首见,真乃百年不遇呢!”说时浑身瑟缩。这当儿风声呼啸,刮断院中大树枝干,抬起房上瓦片,满天乱飞。一时间,枝干倒地声,瓦片粉碎声,甚是骇人。太君又道:“且喜这狂风之中,你平安来此。”太君豆宏年华时,拜见之人络绎不绝。如今冷寂了,全靠此外孙来驱除冷清。真是世事无常渺难知呵!其实她的家境如今例尚繁盛,只是内大臣照拂稍减罢了。狂风肆虐一夜,令夕雾心中倍感凄凉。他素来眷恋不已的云居雁,今已避于一边;而昨日偷窥到的紫姬倩影,却时时浮现于心。他暗自思忖:“我因何对她难于忘怀?难道起了非份之念?太可怕了!”他想努力摆脱,但那倩影却挥之不去,侵占整个心思:“真是个绝世佳人!父亲有此如玉美眷,为何又娶东院继母花散里来与之齐肩呢?这继母与她相比,实在相形见拙,越发晦气!”此亦足见源氏厚道心肠。原来夕雾人品实诚,对紫姬并无邪念。但他一直企盼:若有机会,也娶如此佳人,与她终日厮守,或可延长天年。
一夜狂风,直至拂晓,风势方才有所收敛,却又降下滂沱大雨。家臣们互通消息:“六条院的斋屋吹倒了!”夕雾闻知吃惊不小,想道:“如此风狂雨骤,六条院中楼宇房屋,惟有父亲居所防护可以让人放心。东院继母处人手少,定然慌乱不已。”他便在晓色意微中乘车前去探望。一路寒风冷雨,车声耕磷,愁云蔽天,景色凄惨。夕雾心中无端升起一种难言的惆怅,湿满满好生空落。想道:“我这是怎么了,莫非心动中又凭添了一种相思?”忽觉此念极为非份,便自斥之:“可恶至极!荒唐,卑鄙!”胡乱想着,不觉已来到六条院中东院继母处。果见花散里愁容惨淡,四周一派狼藉。夕雾瞻前顾后,百般慰藉,又吩咐下人立即动手修缮损坏之处,再赴南院参见父亲。
此刻源氏未起床,卧室的格子廖尚关着。夕雾只得斜靠卧室前栏杆,眺望庭中。只见山坡上树木已被刮得斜斜歪歪;断枝败叶,瓦砾满地;墙垣倒塌,狼藉不堪。东方天际微露一线鱼肚白色,庭中积水泛着青白之光,映出一片迷蒙天色与凄凉烟雨。面对此情此景,夕雾只感到眼眶热乎,忙举袖拭泪,咳嗽几声。源氏在室内听得真切,说道:“此乃中将声音呢。如此之早他就来了么?”遂起身,与紫她叙谈,却不闻紫姬答话。但闻源氏笑道:“还从未这般辜负香袅呢!今日实在抱歉,让你不悦了。”两人言语缠绵,情意甚是投合。夕雾听不清紫姬的声音,然从其隐约调笑中,可听出恩爱甜美。他便继续倾听。
源氏打开格子窗。夕雾觉得太近不妥,急退向一旁。源氏见得夕雾,问道:“昨晚如何?你去陪伴太君,她必定欣喜吧?”夕雾答道:“正是。如今些须之事,便使她暗自落泪,真让人同情啊。”“源氏笑道:“太君年岁已高,在世之日无几了,你该尽心孝敬于她。内大臣对她恭谨有余,亲近不足,她常叹苦呢。我这个妻兄好脸面,总喜欢讲排场,探望太君时须仪仗车辆,随从众多,意欲旁人羡慕赞叹。这哪里是孝心深挚呢!尽管这般,他终究博学多才,且极为贤达。时值衰微末世,可谓才学过人了。唉,做一个完人,是何等难啊!”
源氏甚是担心秋好皇后,便对夕雾道:“昨晚风害甚大,不知皇后秋院是否安然无恙?”遂派夕雾前去慰问。并亲写一信带去。信中写道:“昨夜朔风肆虐,不知皇后曾惊吓否?我因风寒,身体欠佳;若不堪言,正潜心调养,不能躬身慰问,希谅。”夕雾持信穿过中廊界门,至秋好皇后院中。此刻晨光源俄,只见他清峻优雅,姿态洒脱。他站于东厅南侧,向皇后居室内探望:只见开着两扇格子窗,帷帝已卷。晨光意微中,众侍女或闲坐,或凭栏而立,皆为妙龄女子,装束甚为赏目。皇后命数女童向虫笼中添加露水。于是女童们身着紫管色或抚子色衫子,外罩黄绿色汗衫,三三两两,持着各式笼子,在四方草地小心寻觅,折取最美的抚子花枝。此时朝雾迷离,如烟笼罩,此情景恰似一幅仙女活动之图。
忽然室中飘来一股特等的侍从香之味。原来恰逢皇后起身更衣,可知好一派高雅气品。夕雾不便立即打扰,稍候片刻,方始轻缓前去。众侍女见之,并不慌乱,依次返回室中,却也并不回避。秋好皇后入宫之时,夕雾年幼,时常往返帝内,与众人甚为熟悉。夕雾呈上源氏之信。皇后身旁,先前相识之侍女宰相君和内侍觑着他悄声低语。夕雾打量了一下皇后居室,觉有别于南院的高贵气象,使人遐想非非。
回到南院时,所有格子廖均已打开。那些爱恋不舍之妍花,一夜狂风,便只留下残枝断节。夕雾抬级而上,将回信呈与其父。源氏拆开一看,便见:“昨夜心中害怕,如迷津之童,企盼你遣人来此防御风灾。今晨得信,心甚喜慰。”阅毕,源氏说道:“皇后胆量怯小。然而,如昨夜那番狂乱,室内一无男人,委实吓人。她定怨我大意了。”遂决意即刻前去探望。于是揭帘入室,将低矮的帷屏拉开一角,准备换上官袍。夕雾瞥见帷屏边微露半截绣花衣袖,心想那定是紫姬了。不由得心如小鹿,狂奔乱撞。遂责骂自己不该生出此念,忙将头转向别处。源氏顾镜自赏,柔声对紫姬道:“晨光中,夕雾这孩子,看去很可爱呢!他尚只有十五岁,就英俊非凡,肖似我年轻之时,这怕是父母痴心爱子之故吧?”道出这番话,盖因正对镜自视,庆幸自己貌美青春吧!忽又说道:“我一见皇后,总有些不自在。此人风姿虽不特别触目,但那优雅贤淑,坚贞气品高超过人,令人不敢亲近。”出门之时,但见夕雾正呆坐出神,近他之身旁也浑然不觉。源氏何等机敏,立有所悟,退回房问紫姬道:“昨日狂风时,中将可曾觑见了你?那门没关闭呢。”紫姬脸红了,答道:“走廊里绝无人声,岂有此等事情!”源氏自语道:“真是踢跷。”遂偕了夕雾出门。二人来至秋院。源氏径自八门去探望秋好皇后,夕雾则在走廓门口,与众侍女戏要。惟因心事烦乱,不免是强作欢颜。不一刻,源氏辞别皇后。二人又至北院,探望明石姬。这里求设干练家臣,惟见几个侍女正于院中花圃内忙碌。其中几女童身着彩衣,行云穿梭,姿态怡人。明石姬喜爱龙胆菊与牵牛花,在院内栽植了许多。平日这些花借短篱攀升,如今一场狂风暴雨,已篱倒花落。这些女童正在收掇整理呢。明石姬满怀愁绪,临窗而坐,独自弹筝。听得传者通报源氏到来,便起身入内,套好一礼服。可见她心思细密。源氏进屋后,也临窗而坐。将昨夜风灾情形询问一番,便匆匆别去。明石姬颇为幽怨,独自吟道:“芦荻微风一阵吹,离人经此也自伤。”
住在西厅的玉鬃因狂风惊吓,一夜未眠,故起得晚了,此刻正对镜梳妆。源氏令前驱噪声,自己蹑脚走进玉空房中。屏风早已叠好,只是其它什物尚显零乱。晨喀穿窗人室,玉髦之芳姿愈显清晰妩媚。源氏依她而坐,借口慰问风灾,又絮叨一番情话。玉望顿生厌恶。恨恨说道:“你讲话老是如此乏味,不如昨夜之风将我吹走才好呢。”源氏笑容可掬道:“风太轻飘了,你总得有着落之处吧!可见你想弃我而去呢,这也难怪。”玉髦听得此话,亦感出言过于直率,遂完尔一笑。那丰满面庞,娇艳如酸浆果一般;额发下高高的额头白皙细嫩,笑服弯弯,虽纯真担却略欠高雅。室外夕雾听见二人谈吐亲昵,颇想再睹玉鬓芳容。屋角帘子里虽设帷屏,然因大风之故,业已歪斜。略微揭得些帘子,则再无遮蔽,王慧姿色便清晰闯入夕雾限内。夕雾以为父亲分明在调戏这姐姐,便想道:“虽然是父亲,但姐姐已不是怀中婴儿了!”欲注目细瞧,又深怕被父亲察觉,便欲隐去。终因此景怪异殊甚,夕雾终不肯走开。玉望侧身而坐,身子倚柱。父亲愈加靠近玉望,揽手抱之。玉置身子偏向父亲,一头乌发便飘洒一边,如波浪晃动,异常美观。她虽厌恶抵拒,但并不坚决,终于面带喜色依偎父亲怀中了。可见已是习惯了。他想:“若非亲见,真难以置信!父亲虽可任情所为,但这是他女儿呀,这样亲昵如情人,也太不成样子了!”他忽然觉得自己如此猜度父亲颇为羞耻。转念又想:“如此美女,我与她虽姐弟名份,然而并非一母所生。亦非近亲,见之也禁不住顿生恋情。”他仔细将此人与昨日所窥那人作比,以为这位姐姐虽略逊一筹,但让人一见便生爱恋,两人难分高下,恰是一对美玉。他暗自思忖道:“此人姿色恰似像棠花,夕阳中正带露重瓣竟放。虽是秋天,但见得这五望,自然便想到春花。春花虽美,但比拟此女容颜,尚远远不及。可见美之绝顶!”
玉鬓与源氏唱唱私语,并无人打扰。忽见源氏面露不悦之色,站了起来。惟闻玉髦吟诗道:
“无越西风多暴乱,直将女萝花吹损。”夕雾未听真切。源氏复吟一遍,他方约略听清,以为将父亲比作暴风,殊为可恨;王慧斥其无赖,又是可喜。极想窥看下去,又怕如此迫近而被发觉,无奈隐去。源氏答诗道:
“西风不损女萝花,惟愿芳菲能承露。瞧那随风摆腰的细竹。”或许误解,但如此秽言总是不雅,更是不妥。
源氏别过玉髦,便至东院探望花散里。盖因今晨骤寒,此刻忽然思起寒衣来。花散里身边聚集着许多长于裁缝的老年侍女,另有几个年轻侍女,正撕扯绑于一小柜上的丝棉。一旁散堆着扯好的绸缎丝绢。绸缎虽为枯叶却也美丽,丝绢颜色新颖却也珍贵。源氏问道:“此乃夕雾的树饱么?朔风这般肆虐,简直一事无成。宫中今岁也不办秋花宴了,真是一个讨厌的秋天!”他虽不晓所织为何物,但因色泽悦人,想:“此人就染色而言,不逊色于紫姬呢!”她曾为源氏所缝的一件中国花级官袍,便是以此种秋日竹叶兰,榨汁水淡染而成,淡雅温馨。源氏建议道:“中将的衣服也用此案色调吧!少年人着此色彩,定然雅观。”如此这番一席话,便起身告辞。
夕雾陪父亲探望了院中形色各异的女人,心中不免郁闷空索。攀然记起,早上曾想写一封信,此时已日上三竿,还未动笔。遂走进小女公子居所。乳母对他说道:“昨晚风狂,小姐睡得不好,此刻尚在夫人房里睡觉呢。”夕雾道:“昨夜狂风确是吓人,我原本打算来此护卫,惟因太君颇为胆小,只得前去陪伴。小姐的娃娃房间可否有损?”此问逗得众侍女发笑,答道:“小姐房间么?即便轻风也令小姐胆颤,况昨夜风暴。我们护卫这个房,相当费劲呢!”夕雾问道:“有无随用纸?另外,请借笔砚一用。”一侍女从橱里取出一卷信纸,并将砚笔—一陈于桌上。夕雾道:“如此高贵之纸,给我用真有点可惜。”但念小女公子母亲身份低微,也不必过于自卑,便用这种上深下谈的紫色信纸写信了。他潜心磨墨,将笔毫于香墨中细细润泡,然后凝神贯注一挥而就,姿态甚为优雅。但由于研习汉学,作风略为乖怪,那首诗不免意趣不足:
“昨夜狂风吹暗云,又是相思不忘君。”遂将此诗与一支风折的警革系于一起。侍女们道:“交野少将的情书与所系花枝同色,你为何将紫色信纸与绿色警草系在一起呢?”夕雾答道:“我可对色彩配搭一窍不通啊!请问姐姐们,我该选用何处野草?”他少言多利,举止得体,确是一个高尚的本分人物。夕雾又写信一封,一并交付手侍女右马助。右马助便又交与一俏丽女童与一亲近随从,并低声吩咐几句。众年轻侍女见此情状,纷纷猜疑起来,不明白此信写与何人。
忽闻人声:“小姐回来了!”众侍女急七手八脚升张帷屏。夕雾忽生一念:何不将小姐姿容与昨日及今晨所偷觑之二美眷比较比较?虽平日讨厌这样做,但既生此念,也无所顾忌了。忙藏于边门口帘中,身上披了帘子,透过帷屏隙缝往里窥望。只见众侍女簇拥小女公子,在眼前一晃而过。她身穿淡紫色衣裳,头发尚未及身,如张开扇页,披散于后。夕雾正为没看清其面容而懊丧,忽又觉得那小巧玲珑身材,颇遭人怜爱。夕雾想:“前年我尚能偶谋面。长久不见,今已出落得如花似玉,不知到了盛年,是何等可爱哩。”若将紫姬比作樱花,玉髦比作校棠,则此小姐便是藤花了。藤花开在高高树梢,此人美姿恰似藤花临风摇曳之情状。他想:“与如此美人朝夕相处,该是多么惬意呀!照理她们皆为亲人,与之亲近合乎情理。父亲却将她们幽闭起来,不许我亲近,教我好恨呀!”生性忠厚的他,此刻也不免还想不已了。
夕雾到得外祖母太君处,谁见其正静修佛法。服侍侍女大多年轻端庄,面容姣好,然姿态、相貌与衣着,皆难以与六条院众侍女媲美。推几个秀丽尼姑,灰色尼衫配其苗条身姿,倒极其适宜这清静幽雅之情趣。夕雾辞别外祖母后,内大臣也来拜望母亲太君了。母子二人便在灯下叙谈。太君道:“乖孙女云居雁,已许久不来瞧我,让我想得好苦呵!”说着便哽咽不止。内大臣安慰道:“我就叫她尽快来拜见吧。她自寻愁绪,瘦弱不少,好生叫人心痛。但愿再不生得女孩了,处处令人费心呢!”说此话时尚存怨怒,耿耿于怀。太君十分伤心,对云居雁也不再热切盼望了。内大臣随机告道:“实不相瞒,最近我又寻得一个糟糕女儿,叫人好生无奈呵。”于是仿若愁苦地絮叨了近江君之事,又忍不住自觉好笑起来。太君道:“哎呀,既是你女儿,又怎会引出如此之谣言?”内大臣道:“正因是我女儿,故才更加为难。我正想带她来见见太君呢。