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综合日语第五册第五课树叶鱼

2018-09-25 19:23阅读:
综合日语第五册第五课
树叶鱼
注释一:安房直子(あわ なおこ、1943-1992)
童话作家。生于东京都,日本女子大学国文科毕业。1972年以短篇《さんしょっ子》获儿童文学家新人奖。1972年以《風と木の歌》获小学馆文学奖。1089年以《遠い野薔薇の村》获野间儿童文学文艺奖。主要作品有《まほうをかけられた舌》《北風のわすれたハンカチ》《ハンカチの上の花畑》《白いおうむの森》《日暮の海の物語》等等。
注释二:すずき(鱸)、スズキ目の海魚。体型狭长,背面青黑色,腹部银白色。为近海鱼,夏天期间幼鱼会在与海水混合的江河里逆流而上。幼鱼被称为“コッパ”,所以成长之后,被称为“セイゴ.フッコ.スズキ”等成名的鱼。为秋季寄语。
课文翻译:
爱,是贫穷的渔夫的女儿。
说到那个渔夫家的贫困程度,财产一样也没有,只有一只借来的小船和一张借来的网。尽管如此,光是孩子就有十个,再加上,养活那些孩子的父亲又一身的病。
且说,那个家里的长女爱到了结婚的年龄,到了必须为最终嫁到哪里面而考虑的时候,母亲深深地凝视着自己的女儿想:
会不会有人娶皮肤这么黑,又没怎么上过学的女儿呢……
尽管如此,总想让自己女儿能够得到幸福,这是作为父母的心愿,爱的母亲每当见到村民的时候都是这样请求的:
“为我家的爱找一位老公吧。虽然我们是你们所周知的穷人,什么出嫁准备都做不了,不过出嫁时我打算把一个珍藏已久的用具作陪嫁。”
村里的人们都纷纷点头,但一想到爱家负债如山,谁也没有真的打算为爱找老公。
但是,出现了一个非常心甘情愿娶爱的人。这是个经常从偏远的山村带一些蔬菜卖的老婆婆,她说一定要让爱成为她那看山的儿子的媳妇。这个老婆婆的话是这样的:
“大家彼此一样贫穷。如果能娶到像爱这么能干的的女孩当媳妇的
话,不知道会有多大的帮助。不需要什么准备,人过来就好了。”
听到这个话爱的母亲非常高兴。她想这可是求之不得的事了。
就这样没过多久,爱就被定下跟随这个从山里来经商的老婆婆,去嫁给一个连面都没见过的人。
爱临走前的晚上,母亲拿出一个很旧的锅,说道:
“好吗,爱,这是你唯一的嫁妆。虽然是个脏兮兮的锅,但这个可以使你幸福。”
“你要好好记住妈妈接下来说的话。这是一个神秘的锅,在这个锅里放入两三片叶子后把盖子盖上,然后稍微摇一下再打开锅盖,树叶就会变成绝佳的烤鱼。上面挤上柚子汁之类后品尝一下看看,那绝对是非常好吃的。”
爱目瞪口呆,心想自己家里到底为什么有这么神秘的东西。于是,母亲用双手把孩子抱到怀里低声说道:
“这个锅里可是充满着妈妈的心愿啊。妈妈为了让你变得幸福,用了一百天向海神许愿才得到的锅。但是,你要好好记:不要过分随便地使用这个锅。为什么呢?那是因为当放入锅里的树叶在变成烤鱼的时候,海里面会有正好相同数量的鱼因为你而死去。考虑到这一点,只在出嫁的第一天的晚上和以后确实重要的时候才可以使用这个锅。”
爱点了点头。母亲小心翼翼地用包袱皮把锅包起来后递给了爱。
就这样,只抱着一个锅的海的女儿跟在婆婆的后面启程了。
路途很遥远。
两个人坐公共汽车颠簸三小时后,又走了好几个小时的满是石子的山路。正当连续走得连刚做好的草鞋也快被磨薄、草鞋带子也快被磨断的时候,才好不容易到了在悬崖下的一间小房子。
那是被从树叶空隙照进的阳光包围着的草房。房子的前面有棵高大的朴树和一小片种着葱的田。
“就是这里,就是这里。这里就是咱们的家。”婆婆说。爱眨巴着眼睛说:
“好房子啊,真气派的屋顶。”爱到现在为止住的海边房子,是镀锌铁皮铺的房顶,上面放着很多石头。爱想,相比之下,这间草房是多么厚实和温暖啊。
这时,房子的门哗啦一声开了,同时一个感觉既厚实又温暖的年轻人探出头来。年轻人一看见爱就感觉很好地笑了起来。所以爱一眼就喜欢上这个人了。
那天晚上爱使用母亲给的锅做了特好的烤鱼料理。
爱将三片朴树的叶子放进锅里,盖上锅盖,轻轻摇晃,然后打开锅盖。
怎么样呢?锅里面三条鲽鱼烧得恰到好处。
爱在刚烧好的鱼上面撒上盐之后放进盘子里,摆到桌子上。来了这么擅长做菜的新娘,爱的丈夫开心坏了。但是,婆婆边动着筷子边疑惑:
(哎,这到底是怎么回事?鱼是从哪里弄到的呢?这孩子明明只带了一只锅过来的……)
但是,新娘自那以后,把锅收藏在高高的柜子上,不打算再使用。
平静祥和的日子一天天过去了。山头猫头鹰叫着、鸽子叫着、狐狸叫着。爱已经能分辨那些动物的叫声了。爱早上很早起来打水,白天耕田,晚上织布,每天拼命地干活。春天过去了。
可是,那年的夏天多雨,有点凉意,很少有放晴的日子。因此,即使到了秋天,山上的树没有结果,精心耕作的田地里的农作物也腐烂了。
可怕的饥荒来了。
好长一段时间,爱的一家因食物短缺勉强糊口,但是终于到了只剩下细小的一条甘薯的时候,婆婆脸色苍白地对爱说:
“能不能给我们做以前的烤鱼料理,吃的东西什么都没了。”
那个眼神好像早就看穿了那只锅的秘密。爱点点头,心想这个时候海神也会原谅我的。爱走出家门,取来三片树叶,摆放在锅里。然后盖上盖子,轻轻地摇晃,再打开盖子一看,锅里烤着三条鲈鱼,发出吱吱的声音。把它们取出来分别放在三个盘子里的时候,爱想起了秋天蔚蓝的大海。爱悄悄地合上手给他们献出生命的三条鱼祈祷。
不久,住在灌木丛对面的邻居们纷纷过来拜访。
因为这时候闻到烤鱼的味道,就过来看一下,想问一问在这饥荒的时候鱼到底是从哪里弄到的——
邻居们战战兢兢地献殷勤说。婆婆听了之后叫爱烧鱼。于是爱又把与客人同等数量的树叶放进锅里。
“请请,不用客气,吃完就走吧。”婆婆说了。客人们开开心心地吃完鱼后回去了。
但是,事情变得麻烦了。
如果过去那家的话就能免费吃到鱼的消息一个村子一个村子地传开了,饥饿的人们走很远的路来到爱家。爱从早到晚把自己关在厨房里,整天把树叶放进锅里做成烤鱼料理。啊,这么一来,海里的鱼会死掉好几十条的吧。……虽然这样想着,爱却停不下来,因为想吃鱼的人络绎不绝。
有一天,婆婆终于说:
“这时候不应该免费请人吃鱼。我们也很穷,我想每条鱼能换成一合米、一根萝卜、一些钱就好了……”
听到婆婆的话,爱马上这样回答道:
“我妈说过,那个锅是不能随便用的。鱼免费送也就算了,如果交换金钱或物品的话,就对不起海神了。据说放进锅里多少树叶时,海里就会死掉同等数量的鱼的。”
听到这话,婆婆笑了。
“山上的树叶和海里的鱼是一样的。就像山上的树叶取之不尽,海里的鱼也不会没有的。”
从旁边,爱的丈夫也说了同样的话。
“当然是这样啊。海里的鱼和山上的树叶是一样的。”
没办法,爱又进了厨房,继续做烤鱼料理。唉,爱一边感到难受,难受,一边继续往锅里放进成百上千的树叶。
森林中的小屋不久就飘满了鱼香味。随之,屋里堆满了大米、豆类、蔬菜、水果。这是因为人们想吃鱼,都带着珍藏已久的食物过来的原因。这期间,爱的丈夫经常把人家给的蔬菜和豆类装入筐里拿到山脚下的村庄去卖。然后赚了些钱回来。有一天,给爱买了件漂亮的和服。
那是一件白底上几乎洒满山茶花的和服,花瓣厚厚的红色触动了爱的心。因为爱有生以来第一次拥有崭新的和服。爱高兴得眼泪都要出来了。在涌上心头的喜悦中,爱一把对海神的内疚和老家母亲的叮嘱忘得一干二净。她紧抱着新和服自己解释说,妈妈说的这个锅能让我幸福的话指的就是这种事情呀。
从那以后,爱变得喜欢烧鱼了。
来爱家吃鱼的人群挤满了狭窄的山路。爱的家越来越富裕了,爱拥有好几套漂亮的和服了。
这样,从那以后,不知过了多少岁月。
在一个连续下了七天暴雨的清晨——
一家三口人听到了咚咚、咚的令人毛骨悚然的声音,然后感到房子突然开始剧烈摇晃。
“是山崩!”
爱的丈夫叫了起来。
“后面的悬崖倒塌下来了!”
婆婆也叫了起来。忽然间,天花板咯吱咯吱地响,柱子开始摇晃。啊,房子要塌了……已经想逃也来不及了。爱的丈夫蹲坐在榻榻米上,突然爱说:
“不,不对……”
然后爱看着天花板,嘟嚷道:
“那是海里的波浪声。”
“波浪的声音?波浪的声音怎么能在这里听到呢?”
“是的。你听错了。”
但这时,爱因怀念之情跳了起来,披头散发地跑到了门口。然后,咯哒一声打开了门——
怎么样了呢?
跟山上树叶空隙中照进来的阳光一样颜色的海水晃晃荡荡地正在向家中涌了过来。
“看啊!”爱叫了起来。然后往上看,什么都明白过来。
爱的家竟然沉到海底下了。
不知道究竟为什么变成这样了。是因为发生大海啸,使遥远的海水涌到山这边来的呢?还是海神的大手抓起这个小小的房子让它沉没到海底的呢?……
木の叶の鱼
アイは、贫しい渔师の娘でした。
  その渔师の家の贫乏さかげんといったら、财产は何一つなく、借り物の小舟が一艘に、借り物の网が、たった一枚あるだけでした。それなのに、子供ばかりは十人もいて、おまけに、その子供たちを养う父亲は、病気ばかりしているといった具合でした。
  さて、その家の一番上の娘のアイが年顷になって、いよいよどこかにお嫁にやらなければならなくなった时、母亲は自分の娘をつくづくと眺めて考えました。
  こんなに色が黒くて、学校にもろくに行かなかった娘を、もらってくれる人がいるだろうか……
  それでも、自分の娘は、なんとか幸せになってほしいと愿うのが亲心というもので、アイの母亲は、村の人に会うたびにこんなふうに頼んだものでした。
  「うちのアイに、お婿さんを探しておくれ。ご覧のとおりの贫乏人で、仕度はなんにもしてやれないが、嫁入りの时には、とっときの道具を一つ持たせてやるつもりだから」
  村の人达はふんふんと颔きましたが、アイの家の山ほどの借金の事を思い出して、谁一人本気でアイのお婿さんを探そうとはしませんでした。
  ところが、このアイを大喜びでもらおうという人が出てきました。それは、远い山の村から时々野菜を売りにやってくる婆さんで、山番をしている自分の息子の嫁に、ぜひアイをほしいと言い出したのです。その婆さんの话はこうでした。
  「贫乏はお互い様だ。アイちゃんみたいに働き者の娘をうちの嫁さんにもらえたら、どんなに助かるかしれない。仕度はなんにもいらないから、体一つで来ておくれ」
  これを闻いてアイの母亲は大喜びしました。愿ったりかなったりの话だと思ったのです。
  こうして、それからいくらも経たないうちにアイは、山からやって来た行商の婆さんに连れられて、まだ见たこともない人のところへ嫁入りすることになったのです。
  いよいよアイが村を离れる前の晩に、母亲は古い锅を一つ出して来てこう言いました。
  「いいかい、アイ、これがお前のたった一つの嫁入り道具だよ。汚い锅だけれど、これ一つがお前を幸せにするからね」
  アイは、ぽかんと母亲を见诘めました。母亲はそのアイの耳に口を寄せて、锅の盖をそっと开けました。
  「これから母さんの言う事をようく覚えておくんだよ。これは不思议な锅でね、この中に山の木の叶を二、三枚入れて盖をして、ちょっと揺すって又盖を开けると、木の叶はすばらしい焼き鱼になるんだよ。そこに柚子でも绞って食べてごらん。そりゃもう、とびきりの御驰走だから」
  アイは目を丸くして、そんな不思议な品物が、一体どうして自分の家に合ったんだろうかと考えました。すると母亲はアイを両手で抱き寄せてささやきました。
  「この锅には母さんの祈りがこもっているんだよ。お前が幸せになるように、母さんは百日、海の神様にお愿いして、この锅をもらったんだから。だけどね、このことをようく覚えておおき。あんまりやたらにこの锅を使ってはいけないよ。なぜって、この锅には入れられた木の叶が焼き鱼に変わる时に、海ではちょうど同じ数の鱼がお前のために死んでくれるんだからね。その事を考えて、この锅は嫁入りをした最初の晩と、それから本当に大事な时にだけ、使うんだよ」
  アイは颔きました。母亲は锅をていねいに风吕敷に包んで、アイに手渡しました。
  こうして、锅を一つ抱えただけの海の娘は、お姑さんの后について旅立ったのです。
  二人はバスに三时间も揺られたあと、石ころだらけの山道を何时间も歩きました。おろしたての草履が磨り减って、鼻绪が切れるくらい歩き続けた时、やっとがけの下の小さいな家に着きました。
  それは绿の木漏れ日に包まれた草屋根の家でした。家の前には高い朴の木と小さな葱の畑がありました。
  「ここだここだ。ここが、わしらの家だ」とお姑さんが言いました。アイは目をぱちぱちさせて、「いい家ですねえ、立派な屋根ですねえ」といいました。アイが今まで住んでいた海の家はトタン葺きで、屋根には石がたくさんのせてあったのです。それに比べると、この草屋根はなんとどっしりとぶ厚くて、温かい感じがするんだろうかとアイは思いました。
  すると、その家の戸ががらっと开いて、これはまた、どっしりとしてあったかい感じのする若者が颜を出しました。若者はアイを见ると、それはいい感じに笑ったものですから、アイは一目でこの人が好きになりました。
  その夜、アイは母亲からもらった锅を使って、とびきりおいしい鱼の料理をこしらえました。
  锅の中に、朴の叶を三枚并べて盖をしてちょっと揺すって、又盖を开けると
  どうでしょう。锅の中にはカレイが三匹、ちょうどいい具合にこんがりと焼けていたのです。
  アイは、焼きたての鱼に塩を振り挂けてお皿にのせて食卓に运びました。料理の上手なお嫁さんが来たことを、アイの夫はただもう喜びました。けれども、お姑さんは箸を动かしながら首を倾けました。
 (はて、これはどうしたわけだろう。鱼はどこで手に入れたんだろう。たしかに、この娘は锅一つしか持って来なかったのに……)
  けれども、お嫁さんはそれっきり、锅を高い戸棚にしまいこんで使おうとしませんでした。
  静かで平和な日々が过ぎて行きました。山ではふくろうが鸣き、鸠が鸣き、きつねが鸣きました。そんな动物たちの声をアイは闻き分けることができるようになりました。朝は早く起きて水を汲み、昼は畑を耕し、夜は机织をして、毎日せっせと働いて、春が过ぎて行きました。
ところが、その年の夏は雨が多く肌寒く、めったに晴れる日はありませんでした。そのために秋になっても山の木の実は実らず、丹精した畑の作物も腐ってゆきました。
  おそろしい饥馑がやって来たのです。
  长いあいだアイの一家は、乏しい食べ物で食いつないできましたが、とうとう细い萨摩芋が一本しか残らなくなった时に、お姑さんは青い颜をしてアイに言いました。
  「いつかの鱼の料理を作ってもらえないかねえ。もう食べ物は何にもなくなってしまった」
  その目は、あの锅の秘密をちゃんと见抜いているように思われました。アイは颔きました。こんな时には海の神様も许してくれると思ったのです。アイは家の外へ出て行くと、木の叶を三枚とって来て锅に并べました。それから盖をしてちょっと揺すって、また盖を开けると锅の中には、すずきが三匹じゅうじゅうと焼けていました。それを三枚のお皿にとりわけながら、アイは真っ青な秋の海を思い浮かべました。アイは自分达のために命を舍ててくれた三匹の鱼にそっと手を合わせました。
  雑木林の向こうに住んでいる隣の家の人々がやって来たのは、それからしばらくあとのことでした。
  今ごろ、鱼の焼けるにおいがするので、ちょっと寄ってみました。この饥馑に一体どこで鱼を手の入れたのか、それを闻こうと思って
  おどおどとへつらうように隣の人は言いました。これを闻いてお姑さんは、アイに鱼を焼くように言いました。そこでアイは、又木の叶をお客の数だけ锅に入れました。
  「さあさあ、远虑なく食べていってください」とお姑さんは言いました。お客は大喜びで鱼を食べて帰ったのです。
  ところが、困ったことになりました。
  あの家に行けば、鱼がただで食べられるという噂が、村から村へと広まり、远い道を歩いて饥えた人达が、アイの家をたずねてくるようになったのです。アイは、朝から晩まで台所に闭じこもって、木の叶を锅に入れては鱼の料理を拵えました。ああ、これで何十匹、海の鱼が死んだろうか……そんなふうに思いながら、それでもアイは手を休めることができませんでした。鱼を食べたい人达は、それでもアイは手を休めることができませんでした。鱼を食べたい人达は、あとからあとからやって来ましたから。
  ある日、とうとうお姑さんが言いました。
  「こんなときにただで鱼を振舞うこともあるまい。うちも贫乏なんだから、鱼一匹につき、米一合でも、大根一本でも、いくらかのお金でも、もらったらいいと思うが……」
  これを闻いてアイはすぐこう答えました。
  「あの锅はやたらに使ってはいけないと、里の母さんに言われました。ただで鱼を上げるのならまだしも、お金や物と交换するのでは、海の神様にすみません。锅に入れた木の叶の数だけ海では鱼が死ぬのだと闻いています」
  すると、お姑さんは笑いました。
  「山の木の叶と海の鱼はおんなじことさ。山の木の叶が取っても取ってもなくならないように、海の鱼だって、なくなりゃしない」
 横からアイの夫も口を合わせました。
  「そうとも。海の鱼は山の木の叶とおんなじだ」
  仕方なく、アイは又台所に入って行って、鱼の料理を拵え続けたのです。ああ、せつないせつないと思いながら、何百枚何千枚の木の叶を锅に入れ続けたのです。
  林の中の小さな家は、やがて鱼のにおいでいっぱいになりました。それにつれて、家の中は米や豆や野菜や果物でいっぱいになりました。鱼を食べたいばかりに、人々はとっときの食べ物を持ってやってきたのでしたから。そのうちに、アイの夫は山番の仕事をやめました。お姑さんも畑仕事や缝い物をやめました。アイの夫は、时々もらいものの野菜や豆をかごに入れて麓の村に売りに行きました。そうして、いくらかのお金を作っては戻って来たのでしたが、ある日のこと、アイに一枚の美しい着物を买ってきたのです。
  それは白地に、椿の花がほとほとと散っている着物でした。その花びらの、ぽってりとした赤がアイの心をくすぐりました。ま新しい着物を手にしたのは生まれてはじめてのことでしたから。アイは涙が出るほどうれしいと思いました。突き上げてくる喜びの涡の中で、アイは海の神様への后ろめたさも里の母亲の注意もさらりと忘れました。新しい着物を抱き缔めて、この锅がお前を幸せにすると言った母の言叶はこういうことだったかと自分なりに解釈したのです。
  それからというもの、アイは喜んで鱼を焼くようになりました。
  アイの家に鱼を食べに来る人々の群れが细い山道にひしめきました。アイの家はどんどん豊かになり、アイは美しい着物を何枚も持ってるようになりました。
  そうして、それから、どれほどの月日が过ぎたでしょうか。
  激しい雨が丸々なのか降り続いたある明け方のこと
  三人はドドーッという不気味な音を闻きました。それから、家がぐらりと大きく揺れるのを感じました。
  「山崩れだ!」
  アイの夫が叫びました。
  「后ろの崖が崩れてくる!」
  とお姑さんも叫びました。たちまちのうちに、天井がメリメリと鸣り、柱が揺れました。ああ、家が溃れる……もう逃げることもできずにアイの夫が畳の上に蹲った时、いきなりアイが言ったのです。
  「いいや、违う……」と。
  それからアイは天井を见上げて、
  「あれは海の波の音だ」とつぶやきました。
  「波の音?波の音がどうしてこんなところまで闻こえるものか」
  「そうとも。お前の空耳だ」
  けれどもこの时、アイは懐かしさに跃り上がり、髪を振り乱して戸口に駆けていたのです。そうして、カタリと戸を开けると
  どうでしょう。
  山の木もれ阳とそっくりの色をした海の水が、ゆらゆらと家の中にあふれこんで来るではありませんか。
  「ほうら!」とアイは叫びました。それから、上を见上げて何もかもを知ったのです。
  なんとアイの家は、海の底に沈んでいたのです。
  一体、どういうわけでそんなことになったのか分かりません。大津波でも起きて、远い海が山まで押し寄せてきたのか、それとも海の神様の大きな手が、この小さな家をつまみ上げて海の底に沈めてしまったのか……
  それにしても、海の底に沈められても、三人は苦しくも寒くもなく、ただ、坚田がいつもより少し軽いだけでした。三人は戸口のところに集まって、呆気にとられて上を眺めました。
  この家を覆っていた绿の木の叶はみんな生きた鱼になり、群れをなして泳いでいくところです。しばらくその美しさに见とれたあと、お姑さんがため息をついて言いました。こんなところに沈められて、この先、どうやって生きていったらよかろうかと。
  この时です。アイはずっとずっと上の方で、谁かが自分を呼ぶのを闻きました。
  「アイ、アイ、こっちへおいで」
  温かいやさしい声でした。
  「アイ、アイ、こっちへおいで」
  「ああ、母ちゃん!」
  思わずアイは両手を上げました。それから、よくよく目を凝らすと、网がそうです。まぎれもなく、アイの家の継ぎ接ぎだらけの借り物の網が頭の上いっぱいにひろがっているではありませんか。
  「父ちゃんの舟がきてるんだ」
  とアイは叫びました。
  「父ちゃん母ちゃん、网で引き上げておくれ。私达を助けておくれ」
  アイは駆け出しました。続いて、アイの夫お姑さんもアイの后を追いました。
  ゆらゆら揺れる绿色の水の中を、三人は両手を広げて走り続けました。
  こんぶの森を通りました。サンゴの林もわかめの野原も通りました。
  网はどんどん大きく広がって行き、海全体をすっぽりと覆い尽くして行くようでした。
  お昼を过ぎて夕暮れが近づいて、海の底に射し込む阳の光が绿から紫に変わる顷、三人の体はいきなりふうっと浮き上がりました。まるで三匹の鱼のように。
  三人は网を目挂けてのぼって行きます。両手を広げてゆらゆらとのぼって行きます。
  アイの母亲のやさしい声が、おいで、おいでと呼んでいます。もうすぐ、もうすぐなのです。
(『南の岛の魔法の话』讲谈社文库より。汉字表记の改正あり)

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