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代理店契約のポイント(その四)

2022-06-10 14:49阅读:
一、従業員と代理店が結託して会社に不利益を与える行為を防ぐにはどうすればよいでしょうか。
メーカーの従業員が特定の代理店と結託して、当該代理店を不当に優遇する反面、その見返りをメーカーの従業員が取得するという問題が実務上よくみられます。また、メーカーの従業員が、親族等を通じて、代理店を設立し、会社と当該代理店との取引をさせることにより、利益を取得するというケースも時々見られます。
この点について、まず、メーカーは社内規則(就業規則等)において、従業員が会社と取引する相手方と親族関係等にあり、或いは他人のために会社と取引する場合、直ちに会社に報告することを要求し、従業員がこれに違反し、又は会社に損害を与えた場合の処罰規定を設けるべきです。
次に、メーカーは、代理店契約において、代理店が会社の従業員に賄賂を供与することができず、会社の従業員から賄賂を要求された場合、直ちに会社に通報する義務を規定し、代理店が会社の従業員に賄賂を供与し、又は、会社の従業員と結託して会社に損害を与える行為を発見した場合、会社は契約を解除することができると約定するのがよいといえます。
二、どのように約定すれば債権回収に有利でしょうか。
ディストリビューター方式の代理店契約は実質的に売買契約であるため、最も債権回収に有利な方法は前払いですが、競合他社との競争の中で中国市場での売り上げを拡大するためには、後払い方式として、代理店による販売を支援することもビジネス上必要なことが多いと思われます。他方、その場合、代理店に対する貸し倒れのリスクを負うことになるため、債権回収に対する考慮が必要となります。
まず、メーカーが代理店を選択する際に、背景調査を行い、信用の高い代理店を選ぶのが第一ステップです。中国では企業信用情報はオンラインでいつでも容易に入手できるので、訴訟係属や強制執行を受けた事実、さらには行政罰を受けた事実がないかどうかを確認してから、代理店契約を結ぶべきです。
次に、メーカーは代理店契約において、代理店が期限を過ぎても支払わなかった場合、出荷を停止すると同時に、代理店は期限の利益を失い、期限未到来の代金を含めた全額の支払い義務を負うと約定することが考えられます。また、いわゆるクレジット枠を設定し、一定の金額までしか掛け売りできないこととして、貸し倒れリスクの量をコントロールするのも有用です。
また、メーカーは、代理店契約において、所有権留保の条項を置くことができます [1]。これにより、代理店が期限を過ぎても支払わず、催告を受けても合理的な期間内に支払わない場合、メーカーは商品を取り戻すことができます [2]。また、万一代理店が破産した場合、商品が第三者に善意取得されて、取り戻せなかったとしても、メーカーは代理店の当該債務が共益債務であることを主張して、優先的に弁済を受けることができます [3]
さらに、代理店の資金力に不安がある場合(個人経営であり、不動産なども保有していない場合や、当該代理店契約への依存度が高い場合 [4]など)、債権回収訴訟を行い、強制執行を行っても、資産がなく、回収できないというリスクもあります。そのようなリスクが想定される場合には、経営者の個人保証を取る等の対応を取るべきといえます。
三、紛争解決方法についてどのように約定すればいいでしょうか。
代理店は全国各地に設置されるのが通常です。仮に代理店契約において紛争解決条項を置かない場合、代理店に対する債権回収等の訴訟については、裁判管轄の被告地主義の原則によると [5]、代理店の住所地を管轄する裁判所で訴訟提起する必要が生じます。そうなると、遠隔地での裁判に関するコストが増加するほか、地域によっては地方保護主義の懸念も生じます。そこで、代理店契約の交渉で通常有利な立場にあるメーカーとしては、できる限り、メーカー側の住所地を管轄する裁判所 [6]又は仲裁機関 [7]での紛争解決を定める条項を置くべきといえます。
裁判と仲裁のどちらを選ぶべきかについては、画一的な答えはなく、以下のようなそれぞれのメリット?デメリットを比較して決めることとなります。
項目
裁判
仲裁
保全の容易性
裁判所で直接保全の申し立てができる。
仲裁機関を通じて管轄裁判所に保全申し立てを行うので、迅速な保全ができないことがある。
公開性
公開の法廷で審理され、判決結果も公表されるので、敗訴者に対する威嚇力もある。
仲裁審理は非公開でなされ、仲裁判断も公表されないため、秘密保持に資する。
審級
二審制であり、最終的な解決までに時間を要するが、より公正な判決を求めることができる。
上訴はできないので、迅速な解決に資する反面、一発勝負となるリスクがある。
審判者
裁判官は裁判所により指定され、当事者が裁判官を選ぶことはできない。
当事者が仲裁人を選ぶことができ、専門性や言語等に関する特殊性がある案件においては、メリットがある。
使用言語
中国語のみ
当事者の合意により、中国語以外の言語を選ぶことも可能。
費用
裁判所に支払う訴訟費用は比較的安価である。ただ、二審まで行う場合には弁護士報酬がかさむ。
仲裁費用は、裁判所の訴訟費用よりも割高となる。他方、1回で終了するため、弁護士報酬は抑えられる。
渉外契約の場合
日本と中国の間では、一方の国でなされた裁判所の判決は他方の国で強制執行できない。
ニューヨーク条約に基づき、日中間においては、一方の国でなされた仲裁判断が他方の国で承認?執行可能である [8]


[1] 民法典第641条第1
[2] 民法典第642条第1項第1
[3] 最高人民法院の「中華人民共和国企業破産法」の適用の若干問題に関する規定(二)(最高人民法院关于适用《中人民共和国企法》若干问题定(二))第37条第3
[4] メーカーにとって代理店に自社の専属代理をしてもらうことは、代理店による経営資源の集中や、競合ブランドの同時代理による不利益の回避等のメリットがある反面、代理店契約の解除?終了の場合には、資金繰りが一気に悪化するリスクがあることを認識すべきといえます。
[5] 民事訴訟法第23
[6] メーカーが中国法人であることが前提となっています。日本などの海外法人から直接中国国内の代理店と代理店契約を締結する場合、日本の裁判所の管轄を定めることは避けるべきです(判決について中国での強制執行ができないため。)。
[7] 仲裁機関の名称を特定する必要があります。特定できない場合には仲裁条項が無効となります(仲裁法18)。
[8] 但し、承認執行手続は、被告地を管轄する中級人民法院への申し立てが必要となり、審理期間も長期にわたること、また、外国の仲裁機関における仲裁において、中国での保全手続は認められないことから、代理店への債権回収が主な紛争類型となる場合には、仲裁を選択するとしても、中国国内の仲裁機関での仲裁とすることがより合理的です。

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